1度目の妊娠(7)〜流産手術〜
子宮内容除去術を受けるのは、2012年1月11日。その前々日。
旦那さんが出張なので空港まで送ることになりました。
こんなときに出張なんて・・・旦那さんはそう言ってくれていたけど、
もうずっと前から決まっていた事だし変更する訳にもいかない。
それに、心配な気持ちのまま出張に言ってもらう訳にもいかない。
まだ現実を受け止めきれていない気持ちと重なって、
妙にテンション高く、元気に見送りました。
自宅に帰る途中、デパ地下によって好きな物ばかり買いました。
ひとりなのに、いっぱいいっぱい買って帰りました。
自宅に戻ると、急に孤独感が襲ってきました。
旦那さんもいない。
お腹の赤ちゃんは生きていない。
一人なんだ。わたしは一人なんだ・・・。
悲しみがこみ上げてきて、大声をあげて泣いていました。
これまでずっと泣かずにこれたのに、わんわん言って泣きました。
たくさん泣くだけ泣いて、その日は疲れて寝てしまいました。
手術の日。
旦那さんから電話がかかってきました。
時差があるのに、心配してくれてるんだなと思うと
嬉しくて心が温かくなりました。
あれだけ泣いたけど、
当日になると、もう心は落ち着いていました。
考えてみれば今日まで、自然に流産して大量出血するという事態にもならず、
最後までお母さんに気を使う赤ちゃんだったんだなあと
またお腹をさすりながら、感謝をしていました。
病院に着いて、すぐ病院着に着替えました。
そして、もう一度エコーで検査をして、成長していないことを確認。
赤ちゃんに会えるのはこれが最後なので、エコー画面をじっと見つめました。
今日までありがとうね。
少しの間だったけど、わたしをお母さんにしてくれてありがとう。
わたしのところに来てくれてありがとう。
ぜったい忘れないよ。ほんとうにありがとう。
赤ちゃんに届くことはないと分かってはいても、
たくさん感謝の気持ちを伝えていました。
ここからは、手術のため子宮口を開く処置を行い、
しばらくベットで休んでから、手術室へ移動。
きっとここは分娩室なんでしょうね。
赤ちゃんを産むために、ここに居たかったな・・・そんな風に思いました。
麻酔を施され、先生と一緒にカウントして3を言うか言わないかぐらいで
眠りに落ちました。
そして、なんと手術の途中で目が覚めました。
なにかを掻き出されている感覚です。
とにかく痛い。
痛い、痛い、痛い・・・声にならない声をあげていました。
するとまた意識が遠のいて、
次に気がついたときは個室のベットの上でした。
痛い。
いや、さっきよりも痛い。
ダラダラと血が流れているのが分かる。
麻酔のせいで、吐き気もすごい。
でも・・・
これが分娩だったらもっと痛いはず。
もっと辛いはず。
こんなことで痛いなんて言ってられないよね・・・。
個室には、わたし一人だったけど、
赤ちゃんの居ないお腹をさすりながら、
天使になった赤ちゃんに、そう声をかけていました。
2時間ほど休憩をして、半日での退院になりました。
外の光をあびると、病室にいたときの、ドヨンとした気持ちが
少しずつ変化して行きました。
ああ、もうお腹の中に赤ちゃんはいないんだね。
くよくよしていてはダメだよね。
そう、無理矢理にでも前に向かないと。
前を向かないと天使になった赤ちゃんに申し訳ないんだから、
強くならないと・・・
お母さんは強くならないといけないよね・・・